2006年 10月 26日
やがて辿る道
前回ブログに書いた、老人から赤ちゃんへ、人生真逆説の追加です。
私には数年前亡くなった祖母がいた。 時々、私の手の甲をつねり、その後自分のしわくちゃの手をつねって、皮膚の張りの無さを比べ、あきらめの表情を浮かべるのだった。 そして70才を過ぎた頃からは、 「夜眠るとき、果たして明朝目が覚めるだろうかと毎晩考える。」 と言っていた。 そして、ご多分に漏れず、長患いしないようにと、毎年「ころり観音」にお参りをしていた。 その頃の私は勿論、若さにあふれていて、そんな話を笑い話のように、聞き流していた。 また、足が痛い、腰が痛いと言われても、その痛みがどれほどのものなのか、思いやることもできなかった。 その時、もし私がその痛みや、悲しみを体験していたら、もっと優しく手をさしのべる事ができたはずだ。 大抵の老人が恐れているのが、ボケ老人になって、家族に迷惑をかけるんじゃないかということだろう。 人生真逆説なら、そんな状態になっても、一日、一日と頭が冴えてくる。 先の見える苦しみなら、本人も家族の人達も辛抱出来るに違いない。 常々思うことだが、お年寄りとは、たくさんの痛みと、不安を持って、それを我慢しながら生きているんですね。 若返ることが無理ならば、せめて年と共に痛みの神経が鈍くなっていきますように。 そして私は、自分のノドをつねり、その張りの無さにため息をつき、それでもあきらめきれず、せっせと化粧水をたたき込むのでした。
by iwasomami
| 2006-10-26 00:01
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