お気にめすまま

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カテゴリ:旅館の話( 36 )

白雪姫になり損ねた

忘年会もたけなわの本日。
ご多分に漏れず、我が家も満室だった。

さて、そろそろお客様がいらっしゃる時間だわと、従業員揃って待機していたが、たまたまその時、フロントに立っていたのは私一人。

そこへ一人の女性が、玄関とも、裏口とも違うスナックの入口からすーっと入ってきた。

年の頃なら、私と同じかやや若い位。
ちょっと小綺麗な人だった。

手にはむき出しのリンゴを二つ。
そしてその片方をカウンターに置いた。

「私、早稲田大学・・・・」
・・・・の部分はまるで聞き取れなかったが。偶然にも息子の母校の方達のご予約が入っていたので、その件かな?と思い、次の言葉を待っていた。

「・・・・各旅館に配って歩いているんです。どうぞ皆さんで召し上がって下さい。」
相変わらず・・・・の部分は聞き取れないが、どうやら、このリンゴを下さるらしい。

「「○○旅館にも、△△旅館にも、置いてきました。コレから××旅館にも行く予定なんですが、そう言う旅館ありますよね?」

「ええ、この先ですが。でも、コレってどういう意味・・・」

「いえ、良いんです。どうぞ皆さんで召し上がって下さい。」

と言うなり今度は玄関から帰っていった。

カウンターにはリンゴが1個置かれたまま。

・・・・毒?   注射で?
それとも爆弾?  包丁を入れた途端爆発する?


お願いですから、今度はもっと普通に持ってきて下さい。
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by iwasomami | 2007-12-01 23:50 | 旅館の話

フリータイム

戦争のような忙しさもようやく峠を越え、本日全館休館日と致しました。
館内誰もいません。

の筈だったが、実はお客様がお一人だけお泊まりしている。
休館日に宿泊客?
それにはいろいろ事情があるが、ともかく素泊まりでという条件でおいで頂いたお馴染みのお客様。

遠慮なさっているのか、とても静かでその存在を忘れてしまいそうです。

ところで、私の場合、営業日と休館日、はたしてどちらが体が休まるのかと問われれば、ひょっとしたら、暇な営業日の方が楽かもしれない。

全ての窓口業務、あるいは電話の応対を全て主人と二人でこなさなければならず、その上、普段ついつい疎かにしている事をしなければならないような気になってしまうから。

今日は朝から良い天気だったので、洗濯機を回しながら布団を干す。
網戸の入念な掃除並びに窓ふき。
洗濯機の隅々を、爪楊枝まで用いての徹底掃除。
洗面台をピカピカに磨き、その下のカビ取り及び整理。
最後に室内の大掃除。

日頃あまり掃除には力を入れていない代わりに、やる時は徹底的に掃除をするタイプな私、気がつくと3時を過ぎていた。

その後、白瓜をたくさん頂いたので、その料理法を研究。
3品ほどつくる。
癖が無く、どんな調理法にも合う事を再認識した。

せっかくのお休みなので少しは体を休めなくちゃ、という気分になり、ビデオ鑑賞。

ずるずるとテレビを見ているうちに、すーっと居眠り。
これこれ、この居眠りが休日の醍醐味。
幸い、今日は電話も少なく、短時間熟睡ができた。

パッと目が覚め、そのあまりの目覚めの良さに、明日に予定していた事務まで終えることができた。

こんな風に書いてみると。ものすごく働き者の様に思えるが、勿論毎日こんなに動き回っているわけではない。

それは休館日だからこそ出来ることであり、その意味では、私にとっての休館日とは、時間に束縛されない時間がある日をさすのかもしれない。
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by iwasomami | 2007-09-03 23:49 | 旅館の話

強者どもが夢のあと

今年も無事慶應野球部の夏キャンプが終わった。

昨年と同じように、彼らを見送った後には、一抹の寂しさを感じる。

そんな中、近所のコインランドリーに行くと、近所の旅館に宿泊しているキャンプ真っ最中の学生達がいた。

真っ黒に焼けた顔からして、野球部、もしくはサッカー、あるいはラグビー部か。

いや、それほど大柄な人はいないので、ラグビー部ではないだろう。

いずれにしても、スポーツマンは良い。
見ていて爽やかである。

でも、我が家の慶應野球部の方が良い。

多分これは情が移ってしまっているせいだとは思うが、あらゆる面で断然良い。

来年も来館する予定だそうだが、彼らが来る=夏、という図式が出来上がりつつある。

とは言うものの、せっかく慣れ親しんだ個々の選手達に、来年又会えるとは限らない。
卒業する者や、キャンプに参加出来ない者も出てくるだろう。

そこが寂しいところかな。

そう思えば、それこそ一期一会。
彼らの短い自由時間に、出来るだけ楽しい想い出をつくってあげたい。

来年も、お待ちしています。
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by iwasomami | 2007-08-14 23:10 | 旅館の話

何をして遊びたいですか

繁盛店セミナーの中で、

「女将さんと一緒に○○してみませんか」
の○○を考え、実行しなさい、という大きな宿題を課せられた。

さて、困った。
この私が他人に教えてあげられる特技ってあるのだろうか。

昔から、何でもやりたがりではあったが、人より抜きんでいるか、と問われれば、「否」としか答えようがない。

然らばと、講師の先生から提案していただいた「お手玉づくり教室」を開催してみたが、満室だったにも拘わらず、受講者ゼロ。

うう~頭が痛い。
しかし、いつまで悩んでいても仕方がない。
少しでも指導できるようになるよう、まず自分からいろいろ試してみることにした。

そして、本日は「ダンボール紙粘土」で遊んでみた。

水に浸し、それをミキサーにかけ、糊を混ぜると紙粘土のできあがり。

手始めに、お地蔵様を作ってみた。
我ながら、なかなかの出来映えに仕上がった。

調子に乗って、皿も2枚完成。

思いの外楽しい。

しかしここで、大きな問題に直面した。
とにかく、乾くのが遅すぎる。
とても一日や二日では乾かない。
ということで、やむを得ずこの案は却下。

さてさて、次は何をして遊ぼうか。

「女将さんと一緒に~」の筈が、「女将さんが一人で楽しむ~」に変わりつつある。
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by iwasomami | 2007-07-17 20:03 | 旅館の話

今時の若者

酔った勢いからか、時々ロビーで、寝てしまうお客様がいる。

先日も、若い男性のお客様が、幅40㎝程の長いすで、ぐっすりお休みになっていた。
春まだ浅いこの頃、風邪でもひかないか、あるいは、椅子から落ちはしないかと、心配で寝るに寝られない。

お仲間は、まだ帰っていない様子だったが、そのままにもしておけず、声をかけてみた。
「お客様、お客様。」
ダメだ、びくともしない。
足をたたいてみた。揺すってもみた。
泥酔しているのか、どうしても起きてくれない。
仕方がないので、毛布をかけて寝せておくことにした。

モニターを見ていると、しばらくして、お仲間が帰ってきた。
あれほど熟睡していた人が、すっと立ち上がり、その弾みで落ちた毛布につまずきながら、歩き始めた。

「あ~あ、そんなもんよね。」
すこしガッカリしながらその様子を見ていた。

すると、お仲間の一人が2~3歩行きかけた足を止め、少しの間、落ちた毛布を眺めていたかと思うと、すっと戻ってきて、毛布を手に取った。
「えっ?」
そして、綺麗にたたみ、椅子の上に置き直した。
「おお~」

翌朝、そのお客様らしい人が、
「夕べは飲み過ぎて、ご迷惑をかけました。」

嬉しくなってしまった。

こんな些細なことで、人って幸せな気分になれるんだな。
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by iwasomami | 2007-04-09 23:40 | 旅館の話

目くそ鼻くそを笑う

以前勤めていたある従業員さんが、長野に旅行に行ってきたと言って、お土産を持ってきてくれた。
あいにく、その時私は歯医者に行っていて、不在だった。

そのお土産を預かった現従業員Aさんとの会話。

私「長野のどこに行ってきたんだろうね。」
A 「えーっと、何処だったかなあ。」
私「そうだ、あそこ、って言ってなかった?ほら、あそこ、何だっけ。」
A 「何処、何処?」
私「えーと、二文字の・・せ・・せ・・なんとか。」
A 「せ・・じゃないような気がする。」
私「いや、せ・・なんとかよ。せあ、せい、せう、せえ、違うなあ。」
A 「あっ、し・・し・・し・・なんとかだと思う。」
私「し・・?せ・・じゃないの?」
A 「たぶん、し・・だと思うんだけど。・・・志摩?」
私「それはないでしょう。ああっわかった、仙仁(せに)温泉だ。」
A 「せに?違うと思う、絶対し・・なんだけど、出てこない。」

二人とも頭がいたくなってきたので、結局お礼かたがた、TELで確認した。
答えは「しぶ(渋)温泉」だった。
仙仁温泉に行きたかったが、満室だったので、急きょ渋温泉に決めたとか。

時間はかかったものの、私は、「せに」という言葉がでてきたので、ホットしているが、Aはしょんぼり。
因みに、Aは、私より3才年上。
まあ、似たり寄ったり、というところか。
でも、こんな低レベルで安心していても良いのだろうか。

今日もキチンとアハ体験をした。
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by iwasomami | 2007-03-12 23:39 | 旅館の話

英語のレポート提出・・・な気分

ドイツからの予約FAXが届いた。
4月に2人で宿泊したいので、料金などを知らせて欲しいとのこと。

いやな予感がする。
以前書いたように、また間違いFAXではなかろうか。

とにかく、必要事項を書き、念のために、「岩惣」という旅館が二つあり、此処は福島の「岩惣」であって、広島の安芸の宮島にある「岩惣」ではない旨を書き添え、送信した。

簡単に言ってはいるが、これだけ書くのに、大変な時間と労力を要した。
辞書を片手に、老眼と戦いながら、やっとのことで送った後の疲労感。
これで予約が成立すれのであれば報われるのだが、十中八九間違いだろうと思いながら書いていると、とても空しくなる。
英語が嫌いでたまらなかった学生時代を思い出してしまう。

そして先ほど先方から再びFAXが届いた。

ご丁寧にも、
To Iwasou Ryokan Miyajima
と書いてあり、正式予約となっていた。
あれほど宮島の「岩惣」ではない、と言ったのに。

相手が思いこみの激しい人なのか、あるいは相当おっちょこちょいなのか、はたまた私の英語力の未熟さゆえのことなのか。

改めて、間違ってる旨をメールで送信した。・・・主人が。
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by iwasomami | 2007-02-08 00:22 | 旅館の話

殺されるー

ちょっと昔の恐怖の実体験。

ある1組の中年のカップルが宿泊した。
女性は笑顔のきれいな方だった。
私の着物姿を見て、きれいね、なんて褒めてくれたりもした。

翌日お帰りになった後、忘れ物に気づいた私は、早速宿帳に記載されてある彼女の家に電話をかけた。
大概のお客様は、忘れ物のお知らせをすると、大変恐縮がって、宅急便で送り、一件落着するものだが、彼女は違っていた。

「届けて頂戴。」
「えっ、お届けするのですか。」
聞けば、車で20分位の所だというので、変則的ではあるが、大凡の場所を伺い届ける事にした。

ところが探しても探してもそれらしい家が見あたらず、仕方がないのでまた電話をかけ、その旨を伝えた。
すると、やたらとヒステリックな声で、
「○○タクシーの○○さんに聞けば、わかるから。」
と言われ、今度はタクシーに乗って、出かけた。

この時点で、相手は普通の状態ではないと判断し、運転手の方に、一緒についてきてくれるよう頼んだ。

いよいよ彼女の家の玄関に立つ。
彼女が出てきて、仁王立ち。
目がつり上がった顔というものを初めて見た。
とにかく、品物を返して早く帰りたかった。

彼女は大声で、「ドロボウ」などと訳のわからない罵倒を私に浴びせかけた。
私は、品物を上がり口に置き、
「失礼致します。」
と帰りかけた、と、その時、
彼女が、出てきた。
「まずい」
私は、その時初めて振り返った。
あれほどお願いしていた運転手さんは、既に、タクシーへと逃げ去っていた。
私も全速力でタクシーへ。
急いで車に乗り込み、ドアをロックした。
間一髪、彼女がドアを開けようとしている。
「チクショー、人殺し。」
と叫びながら。
「早く車を出して。」
運転手さんも慌ててスタートさせた。

後ろを振り返ってみると、そこには裸足で立っている彼女がいて、まだ何か叫んでいた。

怖かった、殺されるかと思った。

彼女の亡くなったご主人と運転手さんは友達で、よく家にもおじゃまして、彼女とも知り合いだった由。
あまりの変わりように、運転手さんも、
「普通じゃない」
という言葉を繰り返すばかりだった。

それにしても私を置いて逃げるなんて酷いじゃないですか。
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by iwasomami | 2006-11-18 00:21 | 旅館の話

ある請求書

請求書在中と書いてある茶封筒が届いた。

裏を見てみると、名前が書いてない。ただ、赤い判が押してあるだけだった。

大して不自然にも思わず、開けてみた。すると、

    予告
 温泉は、自然の恵みです。
 あなた方の生活を支える
 為の物ではではありません。
 自然に温泉が湧き出なく
 なります。
       神・仏    (原文のまま)


こんな紙が一枚入っていた。

決して上手ではないが、キチンとしたとても読みやすい字である。
差出人はどんな意図があってこんなことをしているんだろう。
自然破壊への抗議なのか、旅館に対しての抗議なのか。
あるいは単なる嫌がらせなのか。

たぶん嫌がらせだとは思うが、ひょっとすると、本気でそう思いこんでいるのかもしれない。
世の中には、自分だけが正しいと思い込んでいる人がいるものだ。

我町にも、所かまわずあちこちに、手作りの小さな看板を立てている人がいる。
「ごみを捨てるな、・・・たった1人のボランティア」
看板には、名前と年令まで書き込まれてある(確か85才位だった)。
気持ちはわかるが、看板自体が美観を損ねていることに本人は気づいていない。
そして、自分だけが世を憂いていると思い込んでいる様子。(って私の思いこみ?)
何故かひとりぼっちの可哀想なおじいさんというイメージが湧く。

手紙の差出人も、きっと寂しい人なんだろうな。

でも、もう少し湯本温泉のことを勉強して欲しい。
ここの温泉は、海洋深層水が摩擦に依って熱せられて湧いてきている温泉で、海の水が無くならない限り、枯渇しないと言われているのだから。

そして、たまには自然の恵みの温泉に入ってみて下さい。
体も、心も温まること間違いなし。
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by iwasomami | 2006-11-16 00:05 | 旅館の話

困ったお客様

昨日は、忙しかった。
その上、少しやくざがかった人達まで宿泊していたので、何かと気が抜けない日だった。

滅多にないことなのだが、たまにこういう方達を、受け入れてしまうことがある。
電話を受けた時点で、おかしいなと思った時には極力お断りをさせて頂くようにしているのだが、それでも全て解るというものではない。

お着きになってから、しまった、と思うことも良くあることで、そんな時は一瞬緊張が走る。

何度かこういう方達を観察していると、ある共通点があることに気づく。

1 待ったが効かない。
2 複数の注文をまとめることが出来ない。
3 焼酎は真露。
4 やたらとオシボリを使う。
5 生卵が好きである。
6 きれいな女性がついてくる。
7 感情の起伏が激しい。 
8 すぐ返事を求める。
9 きれいに現金で支払う。

こんな方達にどの様に対応すれば良いのか。
何かと注文が多いのは仕方がない。出来るだけ速やかに対応することだ。              
そして、出来ることと出来ないことをはっきり伝える事が大事だと思う。
筋を通せば、案外わかってくれるものだ。

幸い、昨日のお客様は、本物のやくざさんではなかったようで、それほど問題もなくお帰りになった。

これからも他のお客様に迷惑がかからないよう、予約を受ける時は、努々注意を怠らないようにしてゆくつもりだ。
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by iwasomami | 2006-11-13 23:35 | 旅館の話