お気にめすまま

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カテゴリ:旅館の話( 36 )

どうだ!

先日の大風で、木造の塀が壊れた。

生憎男性が誰も居らず、仕方がないので、やっとこと金槌を手に、一人現場へと向かう。

何とまあ見事に壊れたもんだ。

この状態を見れば、もう何の心残りもない。
早速取り壊しにかかる。

孤軍奮闘すること2時間。

さっぱりと跡形もなく無くなった。

縁側に腰掛け、庭を通して塀のあった辺りを見てみると、あら不思議。
この方が明るくて素敵かも?
どうして今まで気づかなかったのだろう。

この部屋が暗かったのは、あの塀があったせいだったのか。

時期も良かった。
丁度目の前に真っ赤な椿の木がドンと立っていて、今まさに花盛り。

何だ、それならもっと早く大風が吹いてくれれば良かったのに。

とは言え、やはりなんの区切りもなくては、落ち着かない。

と言うわけで、今日裏山に登り、竹を10本ほど切ってきた。
私に作れる塀はと調べたところ、四つ目垣が簡単で、圧迫感もなく、良さそうだったので。
それを思いっきり低く作る事にした。

幸い主人が途中から手伝ってくれたり、近所の旅館のご主人やフロントの人達の手も借りて、思いがけず一日で出来た。

完成作を縁側から眺めてみる。

あらら、良いんじゃないの~。
田舎の農家の庭のようで。
塀の向こうから、鶏なんか出てきそうな雰囲気。

さあ、後はお客様に、どう思って頂けるか、楽しみダワ。
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by iwasomami | 2008-04-02 23:27 | 旅館の話

ヤッター!

旅館に嫁いで早27年。

その長い年月の中で、いろんな経験をさせて頂いたが、こんな経験は初めてだった。

我が家は本館と旧館の2つのタイプの客室がある。

飛び込みでお越しになった若いカップルのお客様。

本館にするか、旧館にするか迷っていて、なかなか決められずにいる様子。

私としては本館がお勧めなのだが、ご予算の事もあり、こちらから言い出すわけにもいかず、しばらく見守る。

しかし、どうにも結論が出ないので、ある提案をお出ししてみた。

「お二人でジャンケンをしてお決めになっては如何ですか?」

「あっ、良いですね。じゃあ女将さんとジャンケンします。女将さんが勝ったら本館、僕が勝ったら旧館と言う事で。」

それ、面白い。
昔からこんな些細な事でムキになるタイプな私。
さあ、やるぞ、思わず指をならしそうになった。

「最初はグー、じゃんけんぽん。」

勝ったー。
一回で決まった。

そしてちょっと高めな本館にお泊まりになった。

売上が上がった事も嬉しいが、ジャンケンに勝った事も又、とっても嬉しい。

お客様、とても楽しい思い出をありがとうございました。
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by iwasomami | 2008-03-22 23:41 | 旅館の話

慣れ

「さっぱりしすぎています。」
「もう少し、あちこちに飾り付けをした方が良いんじゃないですか?」

昔からそう言われてきた。

出来れば何にもない部屋が好きな私にとって、ある意味過酷なご意見だと思う。

しかし、お客様のお気に召すまま、滅私の精神で飾り付けをしてきた。
やってみると、コレが結構楽しい。

最近では、ちょっと行き過ぎではないか、と思うほど飾り付けている。

ところが、またしても、
「飾りすぎず、あっさりした・・・」
との評価をいただいた。

これ以上私に何をせよと仰せなのだろうか。

ある日。
ふと思い立ち、フロント及びロビーの模様替えをした。

といっても、そんな大げさなものではなく、備品を2~3移動しただけであるが、自分ではとても気に入っている。

ついでに、長い間に少しずつ増えてきてしまったカウンターの上のパンフ等も、全部取り払った。

仕上がりは?
そこに立っているのが恥ずかしくなるぐらいさっぱりした。

カウンター以外はいろいろ物が多いので、そこぐらいは私の好みに合わせても良いだろう。

日に何度かフロントから、カウンターを眺めてみる。

良いねえ、気持ちが良い位スッキリしたわ。
     ・
     ・
     ・
でも、何だか、寒々しいと思わない?
スッキリしすぎたかしら?
ねえ、何か置こうか?

そんな私の問いかけに、

「絶対ダメ。」

ときっぱり否定された。

娘から。
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by iwasomami | 2008-03-11 21:17 | 旅館の話

ホッ

ついに本日をもって、57日間の長期にわたって開催されていた「フラオンパク」が幕を閉じた。

振り返ってみれば何が何だか判らず、無我夢中で過ぎてしまった。

ただ言える事は、このお祭りをじっくり把握出来れば、結構有意義な時を過ごす事が出来るかも知れないということ。

次回も今年末あたりに開催が予定されているらしいので、是非綿密な計画を立て、自分にあうプログラムに参加される事をお勧めする。

そんなわけで、我湯の華会のフラダンス部も、初のお披露目をさせてもらった。

大方の意見としては、
「楽しそうでしたね。」
まあ、無難な褒め言葉だろう。

実のところ私自身は、日を追う毎にややナーバスになってきていた。

ところが、仲間の一人が、最後の練習時に、
「今までやって来て良かった。楽しくなってきた。」
と言っているのを聞き、とても嬉しくなってきた。

その人は当初、
「今回は頑張るけど、これが終わったらもう止めるかも。」
なんて言っていたので、発起人としては少し寂しく思っていたから。

聞けば昨晩遅くまで、自主練習に励んでいたとの事。
その結果、多分自信が出てきたのだと思う。
その努力には充分に尊敬に値する。

本番では他人を見ている余裕など無く、あっという間に終わってしまったが、結構皆楽しがっていた様子だった。

多分これからも、町興しの為の催し物がある時は、喜んで参加してゆくのだろ。

そういう会なんですね、湯の華会って。
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by iwasomami | 2008-03-02 23:49 | 旅館の話

こんなお馬鹿さんで良いの?

ブログを書き始め、早2年になろうかとしている。

日記すらまともに書いた事がないのに、よくここまで続けられたものだと、我ながら感心する。

その間、読者が爆発的に増えたというわけでもなく、勿論どこかの出版社からのオファーがあったわけでもない。

そんな喜びもないまま、毎回ネタを探し、それを文章にするという作業は、結構ツライものである。

「作家でもないのに」
そんな思いは常にある。

それなのに何故か二日に一度のこの時間になると、こうしてパソコンの前に座ってしまう。

時折寄せられる励ましの言葉に支えられて、と言う事もさることながら、これは偏に自分自身との約束に他ならない。

始めるにあたり、自分に課した事がいくつかある。

・ 二日に一度更新する事
・ 読者が不愉快になるような事は書かない
・ 特定の来館者については書かない
・ 出来れば読後、ニンマリするような内容にしたい
・ そして、途中でやめない事

以上のようなささやかなコンセプトで始まった結果、身近なたわいもない内容になってしまった。

「このブログのお陰で世の女将さんの印象が薄っぺらになったかも。」
常々そう思っている私なのに、旅館のホームページをリニューアルするにあたり、娘より、このブログにアクセスし易くしたいとの提案があった。

「いやー、それはどうかな。」
と言う私に、

「きっとお母さんはそう言うと思った。でもたとえお母さんが嫌と言っても、やっちゃうからね。」

こんなお馬鹿さんで良いのかな。
黙っていれば思慮深いと勘違いされがちな私なのに。

といわけで、近々そうなります。
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by iwasomami | 2008-02-28 00:01 | 旅館の話

さ、さ、酸素が

往々にして、人手薄の時に限って、何かと用事が重なるものだ。

ネット時代になってきたとは言え、旅館業にとって、やはりTELは命である。

そんなTELが、たまたま一人しか居ない時にかかってくる。

ある日、従業員さんが、全員お客様のお見送りに出かけてしまい、フロントには私一人。

そこに降りていらっしゃったお客様。

売店でお買い物をしそうな素振り。
私も売店にて応対をしていると、TELのベルが鳴った。

まだ決めかねているお客様に、
「申し訳ありません、ちょっと失礼致します。」
と声をかけ、走って電話に急ぐ。

こんな時に限ってご予約のお電話。
しかも長引きそうな気配に、さてどうしようかと、一瞬躊躇した。
幸い、「○月○日泊まれますか。」との内容だったので、
「○月○日ですか。少々お待ち下さい。」と言い、保留ボタンを押すと、一目散に外に走り、応援を頼む。

さて、これで安心してTEL応対が出来るわ。

しかし、あまりにも急いで走ってきた為に、私の呼吸は荒くなっていた。

電話口でハアハアするのもどうかと思い、呼吸の乱れを悟られまいと、出来るだけ静かに話をしていた。

しかし、話を続けていくに従い、あまりの苦しさに、すーっと気が遠くなってしまうような気がした。

「岩惣の女将さん、電話の途中で倒れたそうよ。」
なんて事になったら大変とばかり、慌てて受話器に手を当て、思いっきり深呼吸をした。

そのたった一度の深呼吸が功を奏し、以後はスムーズに会話をする事が出来たが、近頃の運動不足を身に染みて反省した。
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by iwasomami | 2008-02-25 23:57 | 旅館の話

こんな年明け

明けましておめでとうございます。

本来ならば、気持ちも新たにきれいに着飾り新年を迎えるべきなれど、ただ今の私のいでたちはというと、ジーンズにセーター、そして割烹着、手には事務用てっこ、足にはハイソックス、その上にレッグオーマー。

極めつけは腰に3枚のほっかほか。
3枚は過去最高の枚数となる。

残念ながら気力はあっても、寄る年波には勝てず、このような結果と相成った。

しかし、大晦日は、娘が皿洗いをかってでてくれたお陰で、免除してもらえた。
それだけでも大助かり。

こんな時は、「何時でも何処でも眠れる」特技が遺憾なく発揮され、仮眠ながら2時間ほど熟睡もでき、ただ今絶好調。

そろそろ義母も起きてくるだろう。

二人で仲良く、おせち料理の準備でもしましょうか。
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by iwasomami | 2008-01-01 00:34 | 旅館の話

胸焼けが・・・

年末の大掃除も、何とか終えることが出来た。

いささか納得のいかない部分も無いではないが、皆よく頑張ってくれたと思う。

それにしても、疲れた。

年末年始の忙しさを前に、既に疲労困憊。

そんな私に追い打ちをかけるように、調理場の主力メンバーが体調を崩し、長期欠勤と相成った。

それを補ってくれる筈だったメンバーも、まさかのぎっくり腰、(これを読んでくれている貴女、そう貴女ですわ)。

去年も帯状疱疹騒動で大変だったが、それでも眼帯をかけながらお客様とお話しは出来た。

ところが、このままでは、今年の年末年始はお客様のお出迎えは出来そうにない。

まあ、悩んでいても仕方がないか。

不思議なもので、体に緊張が走ったせいか、疲れも吹っ飛んだ。
何だか、自分が不死身のように思えてきた。

今年は陰ながらお客様の為に、調理場で頑張ろう。

その為にはやはり体力が大事。
というわけで、たった今、夜食のお弁当を食べ終えた。
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by iwasomami | 2007-12-29 23:53 | 旅館の話

チンパンジー並

最近なにかと話題のチンパンジー。

中でも、観客の拍手に合わせ、リズムをとる姿には驚いた。
パンパンパンというリズムが聞こえてくると、手の指が、足がリズムを取り始め、やがてはもう我慢出来ないとばかりに、体を揺すりながら走り出す。

今まで、チンパンジーって人間の子供みたいと思っていたが、この映像を見る限り、人間の大人とさほど変わらない。

昨日、毎年この時期になるとお出でになる小団体のお客様。
その中の一人は義兄である。
今回は珍しく、楽器持参での御来館となった。

皆でバンドを組んでいるとか。
御年65歳の同級会。

娘と二人、是非拝聴したいと宴会場にお邪魔した。
エレキギターとパーカッションだけの、こじんまりとしたバンドだったが、思っていた以上に本格的な音色に驚いた。

入口に近いところで、ひっそりと身を潜めて聞いている控えめな私たち。

ところが、義兄が「ブルーハワイ」を歌い始めると、じっとしていられなくなった。
フラダンス初心者の私たちは、残念ながらまだその振り付けは習っていない。
だから踊れない。
でも踊りたい。

指が、体がリズム取り始める。
「ブルーハワイ」は踊れないけど、ひょっとしたらただ今レッスン中の「ホワイトクリスマス」の振り付けでいけるんじゃない?

試しに手を動かしてみた。
うーん、良い感じ、これはひょっとしたらひょっとするかも。。

「行くか」私の問いかけに、娘、「うん、行く」
すっと立ち上がった私たち。
一瞬こちらを見るお客様。

すっと踊り出す私たち。
驚いて目を見張るお客様。
「すごーい」と煽てるコンパニオン達。

ますますその気になる私たち。
驚きから笑顔(苦笑い?)に変わるお客様。
仲居さん達も集まってきた。

結局一曲まるまる踊らせて頂きました。
楽しかったあ。

これは、受け狙いでやったわけではなく、、先ほどのチンパンジーと同じ、本能がさせた事だと思ってください。
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by iwasomami | 2007-12-10 23:39 | 旅館の話

頑張った日

さすがに年の暮れともなると、忘年会のお客様方で賑わっている。

こうしている間にも、なんやかやと用事を賜り、果たしてこのブログは何時になったら終了するのやら、皆目見当がつかない。

そうこうしているうちに、間もなく義母が起き出してくるだろう。
朝食の準備をする為である。

それに伴い、最近その義母の助手を買って出た私の朝も否応なしに始まる。

旅館という仕事は、時間の区切りのつきにくい職業であると、実感する瞬間である。

因みに、昨日の私の行動を書き出してみよう。

1:30  義母の起床と共に、朝食の準備。
2:30  30分ほど読書し、そのご就寝
6:00  起床。
6:50  早立ちのお客様を見送る。
9:00  珍しい事に、全てのお客様がお帰りになった。早っ。
      この3時間は正に戦争状態。
      トイレ、軽い化粧、清掃など、全てお客様の動向に合わせ、その合間を縫って行う。
9:30  コーヒータイム
10:30 調理場でのお仕事。
12:30 10分程で昼食を済ませる。その後1:30まで手伝い。
14:00 入浴。
15:00 お客様の御来館。18:00まで続く。
      19:00までお部屋にご挨拶。
19:30~22:00 皿洗い。
22:00~23:00 ぼーっとしている。ついでに20分ほどううたた寝。瞬時に眠れる特技が遺憾なく発揮される。
23:00  ブログを書き始める。
1:00   たぶん義母がやって来る。

こうして書き出してみると我ながらよく働いた。

こんな日が毎日続いては体が持たないが、残念ながら、それが毎日という訳ではなく、この時期ならばこその緊迫した一日である。
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by iwasomami | 2007-12-09 00:09 | 旅館の話