お気にめすまま

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2007年 02月 01日 ( 1 )

人のことは言えない

無くて七癖というが、自分の事は良く解らない。
身内の癖もまたよく解らない。
たぶん長く一緒にいると慣らされてしまい、感じなくなってしまうのだろう。

そんな身内に、どうしても無視することの出来ない癖をもった人がいた。
それは義父。

日頃から内面が悪く、家の中では滅多に笑顔を見せることのなかった義父だったが、テレビを見ている時に限っては、まるで別人のように感情を露わにするのだった。

お笑い番組の時は、声こそ出さないが、笑顔でしかも何故か頷きながら見ていた。
悲しい番組の時はそれなりに悲しそうな顔で。
そして圧巻は格闘技の番組の観戦。

先ず、腕を組んでテーブルの上に肘をつけるのが、格闘技を観戦する時の定番の姿勢だった。
そして、没頭すると腕が右に左に動き始まる。
やがて、体も前傾姿勢をとり、腕と一緒に左右に揺れ始める。
しかし、視線だけは決して画面から離れることはない。

試合も佳境に入り、体の揺れが一層激しくなる。
こうなると、私ももう目が離せない、勿論義父から。
言うまでもないことだが、その様子を私は横目で見ている。
その為、その時、画面で何が起こっていたのか解らない。

突然父の右腕がテーブルから落ちた。

あっ、声を上げそうになり、慌ててその声を飲み込む。
義父は何事もなかったかのように、落ちた右腕を定位置に戻し、再び観戦体制に。
笑いをこらえることが、これほど苦しいものだとは思わなかった。

その後、ようやく勝負が決まり、ホットした義父はいつもの気むずかしい顔に戻った。

そんな義父も亡くなって久しい。
思い出すのは、いつもの仏頂面ではなく、テレビを見ていた時の子供のような義父の顔である。

この頃、主人も同じタイプだと言うことに気づいた。

そしてひょっとしたら私もまた・・・
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by iwasomami | 2007-02-01 23:51 | Family